小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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まちづくり観光(17) まちづくり運動と観光

「和を遊ぶ」
小樽伝統文化の会


第2回「和を遊ぶ」チラシ
第2回「和を遊ぶ」チラシ

発端
 文化庁は「伝統文化こども教室事業」として、次代を担う子どもたちに対し、土・日曜日などで学校、文化施設等を拠点とし、民俗芸能、工芸技術、邦楽、日本舞踊、武道、茶道、華道などの伝統文化に関する活動を、計画的、継続的に体験・修得できる機会を提供することを促進しています。
 これを受けて小樽の三曲・日舞・詩吟・華道・茶道などの組織が連携して伝統文化こども教室小樽実行委員会が平成19年に結成され、同年、運河プラザで第1回発表会が行われました。これまでこういうジャンルの関係者が横の連携をとることがなかったという意味では貴重な集いで、その実行委員会のメンバーの中から、「是非、大人の中にも伝統文化の浸透を」という声が出てきたのです。

小樽伝統文化の会
 「伝統文化」を柔らかくあるいは大きく表現すると「和の文化」といえます。
 和の文化とは何でしょう。日舞・華道・茶道などの伝統文化の他に、畳や着物、そして作法なども含めて和の文化は構成されています。ところが時代を経て、日本人の生活空間から畳の間が減り、生活習慣から着物を着る機会が減り、生活態度から作法も埋没するような傾向の中で、当然伝統文化もその支えを失いつつあります。
 ここに危機感を抱いた有志が小樽伝統文化の会を本格的に組織しました。小樽市民会館も協力し、平成21年に市民会館で午後終日、第1回「和を遊ぶ」が開催されました。

組織
 小樽伝統文化の会の会長には日本舞踊藤間流扇玉会会主 藤間扇玉氏が就きますが、長女 藤間扇久華氏が核となってプログラム編成やコラボのシナリオ・コーディネート・プロデュースを行いました。
 伝統文化継承の会派をまとめることができたのは、各会派の危機感と、現場ではいずれも扇久華氏と同年代の立場の若い方々が一つになっていただいたお陰といいます。「どうしても間に15秒必要」「15秒の間では困る」「ならコーラスを」など紆余曲折を恐れずにシナリオは何度も修正を余儀なくされました。
 小樽の着物・染め物・履物や寿司・和菓子・日本酒などの各店、そして博物館・職人の会などの機関も協力、まさに小樽の和の文化が一堂に結集します。まさに日本を意味する「和」と、協調を意味する「和」との妙技です。
 第1回に引き続き、平成22年6月には第2回が開催され、市民会館は満員になりました。

第2回企画作品「いにしえの」
第2回企画作品「いにしえの」
協力態勢
 日舞は日舞、華道は華道、茶道は茶道として、その究めるべき道は果てしなく遠いものです。いわゆる他流試合的な合体組織は不要と考えるのが普通かもしれません。
「余計なことをしないで自分の芸を磨け」という姿勢は、究める道の基本ですが、それらを支える手足がもがれていくのを見て見ぬ振りできるでしょうか。
 京都や東京ならいざしらず、北海道の小樽で相協力して、時代の流れに真摯に向き合う心と態勢ができたことは奇跡に近いことです。

「和を遊ぶ」
 この奇跡的な組織と志が果たして市民会館を満席にするほどの呼び込みが可能かという不安にぶつかりました。
 小樽伝統文化の会の特徴は、「和を遊ぶ」というタイトルにしたことです。その意図には二つの願いが込められています。
 かつて小樽の花柳界は多くの芸者さんが芸を競う時代があり、これがどこかで雲散霧消したことへの復活の意図、そして「遊ぶ」という親しみやすさを出して和装の気軽さの場を創出する意図です。
 満員御礼が叶い、和装の観客が多く見られるということは、市民にも共感されたということではないでしょうか。