小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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収穫(8) 後志でなにが収穫されているの

サクランボ
峠のふもと 紅果園
  園主 寒河江 仁 氏



農園の特色
 国道5号、稲穂峠の仁木町側の麓に、8月に入ると「昔とうきび」の看板が出ます。ここが紅果園の直売店です。
 紅果園は果樹・畑作・水田の3種を中規模で耕作する珍しい農園です。なぜ珍しいのかといえば、畑作と水田2種の耕作はよくあるケースですが、果樹は機械化しにくい人手のかかる農業のため、通常は果樹単作になることが多いのです。しかし紅果園では栽培している米やトウキビを毎年楽しみにしているお客様が多く、その期待に応えるため、あえて3種の生産を続けています。 

果樹園概要
 サクランボは約1.7ha、その他リンゴ、梨、プルーン、ベリー類を約2aで栽培しています。サクランボは約40種、「水門」「佐藤錦」をはじめ「南陽」、黄色い実の「月山錦」などの高級品種も含め約800本栽培しています。これら全てがサクランボ狩りの対象となっており、色々な味を一度に楽しめるのが紅果園の大きな特長の一つです。

サクランボ栽培
 サクランボを栽培するには、苗木を挿し木しても根が出ないので、接ぎ木で増やしていきます。接ぎ木に使う台木は、本州などではアオバザクラが一般的に使われてるようです。しかし、紅果園では根の張りが非常によいコルト台木を用いて栽培しています。
 このように手をかけて栽培し、約5年を経過すると収穫できる実をつけるようになります。その後、毎年丁寧に栽培していくと50年位は収穫できます。仁木町には樹齢100年近くのサクランボの木がまだ残っているそうです。
 またサクランボは一般に自家受粉しないので、通常は異品種を2本以上植えて交配しなければなりません。これは、強い子孫を残し生き残るために、自家受粉して劣性遺伝を残さないため(動物の近親婚と同じ)だと考えられます。幼木を増やしていく時には、同じ品種を並べて植えるのではなく、受粉させるのに相性の良い品種を考慮し植えていかなければなりません。そしてこの受粉を助けるのがミツバチです。紅果園では広い園内にハチの巣箱を置き、受粉させます。このように、おいしいサクランボが収穫できるまでには、いろいろな努力と生産者の積み重ねた知識と経験が必要なのです。

こだわり
 紅果園の果樹園は観光農園として営業しています。サクランボ狩りは多くの小さな子どもたちがやってくるため、安全のための低農薬栽培と、実を取りやすくするため低い枝を育てる工夫をしています。また、園内のサクランボの木には品種が誰にでも分るように、白、黄、青、赤と木が色分けされており、品種による味の違いを確かめることができます。子どもたちへの食育につながる試みといえます。

園内でおいしく食べる
 おいしいサクランボの見分け方は、一般的には赤い大きい粒でツヤのよいもの。南側で45度上に伸びた上枝は日当たりが良いので、おいしいサクランボになります。サクランボ狩りの醍醐味は樹上で完熟した実が食べられることです。収穫後に完熟したサクランボとは全く違うおいしさを味わうためには、熟したものを選んで食べることをおすすめします。

これからの取組み
 近年、東アジアからのお客様が増えてきました。特に台湾、香港などの南から来られるアジアの方にとって、北の国で栽培される果物は珍しく興味があるようです。これから紅果園は、外国の方への対応と周辺設備(トイレや直売店)の充実を目標に取り組んでいきたいといいます。
 小誌が発刊される8月10日過ぎはそろそろサクランボは終盤を迎え、代わって昔とうきびやブルーベリーの時期になっていきます。噛むほどにおいしい昔とうきびと、爽やかな酸味のブルーベリーを楽しみに行ってみてはいかがでしょうか。