小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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まちづくり観光(18) まちづくり運動と観光

北後志定住自立圏構想
まちづくりの具現化とライフスタイルの提案



人口構造
 現在、日本人口の約半数は東京・大阪・名古屋周辺に密集(6417万1324人で全体の50.51%住民基本台帳より)しています。このような過度の人口集中は先進国でも極めてイビツです。戦後、都市圏に仕事が集中したことが原因で、地方から中央への移動がありました。早い話「食える地域へ行く」動向は古往今来不変でしょう。
 現政権の民主党は「中央から地方へ」を5本柱の1つにするほど「地方主権」を大きな政治テーマに掲げています。総務省では、地域主権型社会に転換する制度的見直しとして「定住自立圏構想」を推進しています。「中心市」の都市機能と「周辺市町村」の農林水産業、自然環境、歴史、文化など、それぞれの魅力を活用して、NPOや企業といった民間の担い手を含め、相互に役割分担し、連携・協力することにより、圏域全体で必要な生活機能を確保し、地方圏への人口定住を促進する政策です。

北後志定住自立圏構想
 小樽市は平成21年9月15日に中心市宣言(現在54市)をし、平成22年4月1日に北後志(余市町・古平町・積丹町・仁木町・赤井川村)と協定締結をしました。同年7月5日に各市町村から官民のメンバーが集まり、「共生ビジョン懇談会」が開催され、議論がはじまりました。

移住動機
 北後志は住むには誇りにできる十分な環境はあるでしょう。しかし、この政策を実のある内容にするには、定住を促す対象が都市圏なのか、都市圏以外の地方なのかで大きく異なります。また現役世代なのか定年後の人々なのかによっても大きく異なります。仮に都市圏の現役世代という理想的な定住であれば、間違いなく「仕事があるかないか」が尺度になるでしょう。
 そうだとすれば、仕事がないから流出したのに、いまさら地方にどんな仕事をという根本的な疑問が浮上します。そんなことが明確にわかっていたから30年も前からまちづくり運動をしてきたともいえます。

まちづくりの成果
 小樽運河保存運動や後志で連携したまちづくり運動を推進してきた小樽は、全国的にもまちづくり運動の先進地といえます。まちづくり運動は既存の経済・文化・政治のシステムを修正したいから発意されます。ではこの30年間なにがどう修正されてきたのでしょうか。経済では「地域資源活用産業」「地産地消」「地域内交流」「地域間交流」などの推進、文化では「小樽観光大学校」「歴史資源活用」「広域観光連携」、政治では「条例の模索」などがあげられます。
 これら全てが「小樽独自の仕事創出のための環境整備」といえます。このように運動の成果は既存社会に確実に実りはじめていますが、「仕事創出」には至っていません。
 しかし全国的にも稀なほどまちづくり運動の盛んなこの地域は、30年以上もの蓄積があり、この方向性を抜きには語れなくなっているのも事実です。
 いずれにしても、まちづくり運動のさらなる推進・支援は、この地域の最重要課題といえるのではないでしょうか。

住環境のネットワーク
 これまで各市町村が独自で考えてきた住環境を、広域ネットワークによって機能分担していくことが必要になってきます。医療・福祉・防災・教育・環境、また交通システムや情報システムを徹底して議論していく緒についたといえます。
 この場合、注目すべき狙いはライフスタイルです。
 北後志の大自然を活かし、小樽の歴史的都市性とのコーディネートから新たなライフスタイルをどんどん提案できそうな気がします。

主体
 中央との関係を根幹としていたこれまでとは異なり、地域が自立していく過程では、市民・町民・村民が支えなければ不可能です。
 なによりも大事なことは行政に全てを託すのではなく、NPOなど、様々な団体とのネットワークが、積極的に地域に関わる権利と責任が求められます。