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地産(1) 後志でなにが生産されているの

日本海岩内海洋深層水
岩内町地場産業サポートセンター
所長 中家 正希 氏



300m 95% 2℃ 100分の1 深層水を語る数字
 深層水とは太陽光線の届かない水深200m以深の海水を指します。
 深層水は、数百年から二千年をサイクルとする地球規模の大循環をしていて地球上の全海水の95%が深層水といわれています。
 岩内町では7.8q沖、水深300m以深に「日本海固有水」と呼ばれ、水温が1〜2℃と極めて低温で清浄な深層水が存在しているのです。
 また、細菌などが表層水のわずか100分の1程度しかなく、非常にきれいな海水といえます。

深層水開発のきっかけ
 平成元年、国が深層水を産業振興に役立てるために研究開発を奨励し、まずは高知県の室戸市が先陣を切って研究をスタートしました。その後順次、国の補助を受け、全国各地で研究施設ができるようになったのです。現在、陸上取水型施設は全国に16ヶ所あります。
 北海道では、羅臼町に平成11年12月、道内初の陸上取水型施設が誕生しました。取水場所は知円別漁港沖1,402m、水深281m地点です。岩内町も平成15年、産業振興を目的に陸上取水型施設ができ、取水を始めました。他、道内では八雲町熊石地区にも取水施設があり、水産養殖施設等で利用されています。

深層水の3大特性
 海洋深層水には富栄養性、清浄性、低温性の3つの特性があります。


■富栄養性

 海水は地球上に存在するあらゆる元素を含んでおり、特に深層水は表層水に比べ植物生長に必要な硝酸塩、リン酸塩およびケイ酸塩などの無機栄養塩類を豊富に含んでいます。
 表層水中では植物や植物プランクトンが表層水中の栄養を摂取しますが、光の届かない深層では植物プランクトンなどは生活できないため、深層水中の栄養塩類は使われることなく、豊富に残されています。


■清浄性

 水質を悪化させる有機物や、にごりの原因となる懸濁物が少なく、海水を脱塩する際にも、簡単なろ過で済みます。疾病などを引き起こす病原菌、細菌類、また有害な寄生虫や付着生物があまりいません。


■低温性

 日本海は、外洋との通路の対馬海峡が著しく浅いため外洋の深層水が流入せず、日本海北部で冷却された表層水が低層に沈み込んだ水塊が「日本海固有水」を形成しています。この日本海固有水=深層水は、太平洋側の深層水に比べ、同じ深さでは低温であるという特質があります。

海洋深層水の用途
 現在、岩内町では取水した海洋深層水を大和地区、漁港地区、新港地区の3ヶ所で利用されています。大和地区では深層水の海中いけすでタコ、ホタテなどが蓄養されています。漁港地区では、鮮魚の運搬、洗浄などに利用し鮮度保持に役立てています。新港地区では主に水産関係への供給、多目的利用、またサポートセンター内では一般へ販売されています。

課題
 海洋深層水は様々な分野で用途が研究されています。現在は主に水産、食品関連ですが、深層水の特性を生かした工業分野、化粧品分野などでも活用法が現在研究されているそうです。大いに期待される深層水ですが、今後、遠隔地に深層水を供給する場合、ネックとなるのが運送費です。深層水の販売価格に対して割高な運送費の問題をどのように解決し普及させていくのか、また貴重な資源としての深層水を広く認知させていくのかが課題です。