小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(3) 後志でなにが生産されているの

ハム・ソーセージ
手作りハム・ソーセージ&レストラン エフエフ
  代表 佐々木 実 氏



エフエフとは
 店名のエフエフ(eff eff)とはドイツの言葉で「充分に」という意味。そして、その名称はドイツで修行した会社の名称をいただいたものです。 代表の佐々木氏は宮城県出身。江別の酪農学園大学酪農学部に入学したのが北海道との出会いです。

ドイツでの修行
 大学を卒業後、日高町でハム・ソーセージ作りの会社に勤務した後、一念発起、30歳でドイツへ修行に行きました。ドイツを選んだ理由は、ハム・ソーセージ作りの本場で、しかも小規模の工房が多いため様々な製造工程を習得できるからでした。ドイツに比べて日本の工場は大規模なため、製造工程の一部だけを担当することが多く、独立するための技術の習得には向かないと考えました。
 ドイツではマイスター達が作り上げた伝統のレシピを基に、ソーセージ作りの基本をしっかりと身につけて帰国しました。

ニセコとの出会い
 帰国後、独立して工房を開設するため、長野県の知り合いをつてに県内で物件を探しましたが、なかなか条件に見合う所が見つかりませんでした。そんな時、大学時代の山岳部で共に山登りをやっていたニセコ町の先輩から土地を紹介されました。その場所が、現在のニセコアンヌプリ国際スキー場の麓です。そこは四季折々豊な情景を醸し出し、冷涼な気候でハム・ソーセージ作りには最適な場所で、ここに工房を開設することを決めました。35歳での独立でした。

本場の味を伝える
 本場ドイツのハム・ソーセージは日本製品に比べ、塩分と脂身が多く、しっかりとした味に仕上げます。しかし、この味のままでは日本人には濃く感じ、日本人の健康志向に逆行することになります。そこで佐々木氏は伝統の技術を受継ぎつつ、味だけを日本人向けに調整し製造しています。
 こだわりは、道産の新鮮な豚肉を使用し、合成保存料や化学調味料を使わないこと。大手メーカー製造の製品より多少賞味期限は短くなりますが、肉本来の味を安心して楽しむことができます。また、燻煙は香りの良い楢の木を使います。普通、燻煙にはチップ材を使いますが、佐々木氏は燃え上がらないオガ粉でじっくりと燻します。ソーセージは5〜6時間の燻煙の後、ボイルしてでき上がりですが、ロースハムやベーコンになると1週間以上塩漬けした後、8〜10時間の燻煙、ボイル処理と手間は何倍もかかるのです。特に燻煙は温度を管理しながらの作業で大切な工程です。ちなみに生ハムは1ヶ月以上塩漬けした後、冷燻と熟成を繰り返しながら7〜8ヶ月かけてやっと完成するそうです。
 現在エフエフで製造しているハム・ベーコン・ソーセージは定番12種類、その他季節限定商品も製造しています。またレストランも併設されて、ソーセージを主体としたメニューは人気で、日帰りのドライブ客が年間を通じてたくさん訪れています。

ニセコの今
 ニセコは近年、外国人観光客が急増したこと、様々なアウトドアスポーツが盛んになったこと、モノづくりをする人が集まってきたこと、観光客が楽しめる飲食店やショップが増えてきたことなど、地域を元気にする要素がたくさんあります。20年以上前、スキーブームの時は「冬のニセコ」としての印象が強かった町でしたが、ブームが去った後も夏の観光に力を入れ、通年型の観光地となりました。後志の中では一番大きく変化した町といえます。
 佐々木氏もニセコの大きな変化を感じつつも、時代に流されずこの地で作り続けてきました。自分の信じた味を守ってきたことでお客様の信頼を得ています。その信頼は独立後25年という歳月が証明しています。
 穏やかで、人をひきつける人柄の佐々木氏ですが、根底にはゆるぎのないドイツ仕込の頑固さがあり、それがドイツから持ち帰った「エフエフ」という看板を守っているのだと思います。