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地域経済(15) 経済を読む

上海の熱気
小樽商科大学
ビジネス創造センター 
  センター長・教授 海老名 誠



 昨年2度上海を訪問したが、2度目にあたる12月は、函館の「マリンバイオクラスター」の関連調査を行うことが目的だった。

千歳空港の便利さ
 まず、新千歳空港の国際線ターミナルができ、9月の韓国の時と同様、大変スムーズにアジア各国へ行けることを改めて実感した。千歳と上海は直行便で結ばれており、往路は4時間、復路は3時間と言う便利さである。浦東空港からは市中心部のホテルまでタクシーで約1時間、それでもタクシー料金は180元(2,200円程度)であった。今回は本学から中村秀雄教授と小職が千歳から出発、函館からの3人は成田経由であった。我々は半日で十分だったが、函館組は往復とも丸一日を要した。函館組からホテルの部屋に連絡が入ったのは、もう真夜中だった。如何に、直行便がビジネスには便利かを体感した旅となった。
 さて、ますます加熱する中国経済だが、この経済の高成長はいつまで続くのだろうか。

中国経済予測
 私は、前職でアジア経済の予測を行ってきた。今、手元に2003年暮れに発刊された「世界経済の中の中国」(NTT出版)と言う本がある。これは内閣府の経済社会総合経済研究所が主催した「新世紀における中国と国際経済に関する研究会」の成果を取りまとめた本である。堺屋太一(内閣府特別顧問)や伊藤元重(東京大学大学院教授)北岡伸一(東京大学大学院教授)など日本の錚々たる学者ら(肩書きは当時)と共に、私も「企業面から見た中国」と題して「第9章 急速な経済発展は脅威かチャンスか」を執筆した。その中で、研究会の全てのメンバーは「中国経済は2010年一杯迄大丈夫だろう」との認識で一致した。
 その根拠は、中国は2008年のオリンピック開催国であり、2010年の上海万博の開催国である。従って、2010年までは、面子にかけても経済成長戦略を大きく変更する事は無いと読んだのだ。

万博は終了
 そして、昨年10月に上海万博は終了した。前回、小樽市長らと共に上海を訪問したのは1月だったが、上海の空気は凄く汚れていた。これは、5月オープンの万博に間に合わせるべく、市内で様々な突貫工事が行われていたからである。万博が開催されていた期間(5月から10月)は一切の工事が停止していたので、上海の空気は綺麗だった筈である。それが、終了と同時にどっと工事が再開されたため、先月の上海の空気は再び汚かった。
 しかし、上海は相変わらず大変な熱気で、地下鉄は世界一の長さとなり、11路線が入り組んで市内をカバーしている。問題は、この熱気はいつまで続くのか、という事である。私は上海に在住する日本人経営者・中国人経営者らに、この意地悪い質問を浴びせかけた。そして驚く事に、すべての回答者が「上海の経済成長はあと5年、いや10年は続くだろう」と言った。
 これが、熱気の中にいる在住者の実感とすれば、旅人である私の観察は「そろそろバブルが爆発する時期が近付いている」というものであった。どちらが正しいのだろうか。