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地産(4) 後志でなにが生産されているの

ユリ根
田村農園(真狩村) 田村 豊和 氏



真狩村とゆり根
 田村農園は虻田郡真狩村加野地区に位置し、総面積13haの農園に、じゃがいも、大根、ニンジン、スイートコーンの他、ゆり根を生産している。ゆり根の栽培は機械化が出来ない作物のため、自ずと作付面積は限られるという。
 初代は大正期に余市に入植し、その後真狩村へ移住し農業をはじめた。豊和氏は田村農園の5代目。現在4代目の父から、様々な技術を学びながら作物を栽培している。
 真狩村でゆり根の栽培がはじまったのは昭和36年頃で、本格的に栽培されたのは昭和41年以降のこと。4代目によると、最初は洞爺村で栽培されていたのだが、その生産者の親戚が真狩村に種を持ち込み栽培されたのではという。
 なぜ真狩村がゆり根の生産量全国一なのか。この地域の冬は雪深く、出稼ぎも少なかったため、収入を確保するために、少ない面積で高収益が見込めるゆり根の栽培は、地域の事情と栽培に適した気候風土が合致し、生産者が増え盛んになっていった。かつてバブル期には高級食材として、現在より何倍もの価格で取引され、生産者には魅力ある作物だった。

手間ひまの塊
 ゆり根栽培は稲作以上の手間ひまがかかる。米は1年で製品になるが、ゆり根は製品になるまで5年を要す。最初の年に種を植え、秋に掘り出し選別。翌春に1年目と違う畑に再び植え付け、秋に掘り出し選別。これを繰り返し5年目でやっと収穫。この間、草取り、花摘み、掘り出しなどは手作業が中心。また一度ゆり根を植えた畑は養分が吸収されているため、再び数年間はゆり根を植えないという。このように通常の作物よりも何倍も手間ひまがかかるため、誰でもが簡単に栽培できる作物ではない。

こだわり
 田村農園のこだわりは土作り。もともと羊蹄山麓の土は火山灰質で水はけが良く、根もの栽培に適した土壌だが、ゆり根栽培に適した養分豊な土にするため、毎年丁寧に手入れをする。この作業で品質の良し悪しが決まるといっても過言ではない。
 現在生産しているゆり根の品種は「白銀」。昭和57年頃よりホクレンがウィルスに強い品種として供給をはじめ、その後主流となった。
 種を植えたら、誰もが良いゆり根を生産できるとは限らない。ゆり根の価値を高めるためには、形を美しくすること。そして全体が白く高さを出すこと。5年後のこの姿をイメージし、あらゆる手間をかけ栽培していく。今では田村農園のゆり根は仲買人からも一目おかれ、十数年来の信頼関係が築かれ毎年期待されている。絶対に裏切らないものを生産するというプレッシャーを感じながらの栽培だ。

これから
 現在、真狩村ではゆり根をもっと普及させるために村ぐるみで様々な取り組みをしている。ゆり根を使ったメニューの開発もその一つ。バブル期以降、価格が下がり、高級食材というイメージだけが先行しているが、栄養豊富な食材なのでもっと気軽に食べて欲しいと田村氏は言う。真狩村のゆり根は「ようてい」ブランドとして主に関西、関東を中心に出荷されているが、これからは道内での消費を拡大することが目標。
 最後においしい食べ方を聞いた。「絶対に最初に茹でないこと。蒸してから調理すること。茹でてしまうとお湯の中に栄養も旨みも逃げてしまいます。電子レンジでもOKです」。

田村農園
〒048-1622
北海道虻田郡真狩村字加野384-5番地
TEL&FAX(0136)45−3219
●田村農園のゆり根は、道の駅真狩フラワーセンターとインターネットショッピングサイト
「北海道花野菜」http://hanayasai.com/で購入することができます。