小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地域資源活用ビジネス(21) 小樽独自のビジネスモデル

株式会社 福島工務店
代表取締役 福島 正紘 氏
〒047-0017 小樽市若松1丁目7番18号
TEL:0134-23-3542
FAX:0134-33-2442
E-mail:info@fukushima-km.co.jp
http://www.fukushima-km.co.jp


旧手宮鉄道施設機関車庫三号(外観)
旧手宮鉄道施設機関車庫三号(外観)
歴史的建造物の街
小樽市では1983(昭和58)年の早くから「小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例」(平成4年「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」に改正)という独自の条例が制定され、専門家の調査においてその対象となる歴史的建造物は2,357棟をも数え、このうち平成22年現在では71棟が指定を受けている。
 また小樽に訪れる多くの人々の動機も「豊かな歴史的環境」に浪漫を感じ、歴史的建造物は小樽観光の核となっている。いわば歴史的建造物は小樽の文化の領域にあるといっても過言ではない。

小樽市文学館(内観)
小樽市文学館(内観)
文化と維持の現場
「こんな我慢と苦労をするなら新築の方が合理的」と歴史的建造物を所有もしくは運営する当事者は共通に思っている。「しかしここに観光価値があるから耐えられる」という結論である。また指定中、公共機関所有が、11棟、ほかは全て民間が所有している。公的機関の代表である小樽市の財政も厳しいが、民間が維持する場合は直接懐に響く。歴史的建造物が文化の領域にあるから、建築の専門家はこういう嘆きを技術的にカバーできないかと研究を進めている。

(旧)岡川薬局(内観)
(旧)岡川薬局(内観)
地域資源
歴史的建造物は間違いなく小樽の資源であるが、一方でこれらのメンテナンスの技術を収得する建築業者は少ない。公共機関が所有し重要文化財などの指定をうけている物件の場合は、文化財建造物保存協会の技術員が立ち会い、現地の建築業者に指導も含めて技術の伝承を行っている。昨年に竣工した「国指定重要文化財旧手宮鉄道施設機関車庫三号保存修理工事」では小樽の福島工務店が落札し、50年の大工実績のある直傭技能者が中堅・若手大工を率いて工事を手がけた。

リストランテ/トレノ(外観)
リストランテ/トレノ(外観)
福島工務店
福島工務店ではこれまで、住吉神社、本願寺小樽別院、天上寺、小樽倉庫(小樽ビール)、渋澤倉庫(北海あぶり焼き)、トレノ、岡川薬局という歴史的建造物の補修を手がけ、平成8年からは国指定重要文化財の旧日本郵船のメンテナンス契約を遂行している。最近では文学館・美術館のリニューアル工事も担当した。
 トレノの移築・増築に関しては、博物館へのプロポーザルから支援し、手宮機関車庫は当初1年半の工期であったが、発掘調査なども加わり3年を費やし文化庁から大きく評価されている。
 社長の福島正紘氏は「私も小樽にとって歴史的建造物は大事だと認識しています。とはいえ業界にかつての宮大工的な公的な資格が近代建築にはなく、会社の方針として可能な限り工事を体験してサポートしていく体制は継続していこうと考えています」と会社の姿勢を語る。
 旧岡川薬局(18号トピックス参照)の所有及び運営会社代表であり、福島工務店の取締役 福島慶介氏は「小樽で古い建物を活用した新旧共存の空間はとても魅力的で意味深い。それは同時にまちの景観保全・独自性の創出にも繋がる」と語る。補修の技術・運営のシステムをわきまえ、建築のライフスタイルやセンスの収得を目指そうとする意図がこめられている。