古い家具
「骨董品」というとなんらかの由緒をもった意義ある品と連想されるかもしれないが、ここでは鑑定不要のインテリアとして、単なる古いデザインの家具類が持つ意匠について考えてみる。
小樽の骨董品
小樽は近代になって移住が進んだことから、出身地から運んだ家具類は最少に留め、開拓時代を通して由緒に酔う余裕も少なかったなどと想像できることから、実用的な類の家具が普及してきたことは充分想像できる。
とはいえ時代を経て、平成も23年目に突入した今日、明治・大正・昭和の三代に普及した実用的な木製の家具には、アルミやセラミックやプラスチックといった新素材にはない暖かでスローな味わいを醸してくれる。
小樽は骨董品が数多く眠っていると聞く。1978(昭和53)年から17年間開催されていたポートフェスティバル会場の骨董品コーナーでは出店者もお客も大勢でにぎわっていたことは小樽独特の雰囲気をつくっていたし、それはまだ消えた記憶とはいえない。
歴史的建造物の街
小樽が歴史的建造物の多い街であるなら、外観の歴史性に加え、内観の歴史性も追求する風流があってもいい。たとえ新築の家であっても、ひとたび入ると、いかにも小樽らしい風情を骨董品は発信してくれる。新築の家の中では、骨董品に囲まれ、地デジのテレビにスマートフォンにi-Pad、そんなライフスタイルも小樽にはお似合いだ。