小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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COLUMN

メディア難民
編集人 石井 伸和


最近のニュースとバラエティ
 一言で「くだらない!」。ユウちゃんのおっかけ、大相撲の八百長、沢尻えりかの離婚騒動、どこのチャンネルを回しても同じで、NHKまでも然り。たまりかねてBSに切り替えればショッピングばかり。そうかと思えば政界情報は相も変わらず金権問題で、日本の政治の方向性を議論する映像など流れた試しがない。
 ユウちゃん・大相撲・えりか・ショッピングがくだらないというのではなく、馬鹿の一つ覚えのような報道をくだらないと怒っているのだ。

メディア難民
 近所の八百屋や魚屋や肉屋がなくなり、大型店に併呑されて、移動手段を持たない高齢の主婦などを買い物難民といい、石油業界の環境悪化からガソリンスタンドが都市にしか出店できなくなり、地方の自動車所有者が困るのを燃料難民という。
 小樽の観光土産店から聞いた話では、これまでの観光客は「せっかく北海道や小樽にきたのだから、土地の良い土産は?」から会話が始まったが、最近では「○○の○○を」と指定される場合が増えてきたという。これはネット環境が背景にあり、なんでもかんでもランク付けし、どなたかが発信したイメージブランドらしいが、ネット情報までがいわゆるポピュリズムで、最もらしくわかりやすくしたランク付けの氾濫を物語っている。そりゃそうだ。ジャーナリズムの研鑽など全く縁のない発信者が自由に書いているのだ。ましてその道のプロが流すテレビ自体がくだらないのだから推して知るべし。
 下世話なポピュリズムに洗脳されるメディア難民が台頭している。

ジャーナリズム
 ジャーナリズムには「報道するに値するかどうかの内容の価値判断」が求められる。しかしいっぽうで、メディア・リテラシー(情報を評価・識別する能力)がそもそも受け手側の大衆に備わっていないから、そのレベルに合わせれば今日のようになるのか。であればくだらないを通り越し、なさけない! メディアは立法・行政・司法に加えて第四権力とも呼ばれるほど公的存在。ならば「公」への視点そのものが無に等しい。

メディア・リテラシー
 さて大衆である。「愚衆」という表現がある。北野 武も小気味よく使う言葉だ。もちろん差別的用語だから辞書には載っていない。そもそもこのまま地球環境を放置していたら、人類が自らの存立条件を台無しにしてしまうことを思えば、極論、人類は元来愚衆といっても過言ではない。とすれば愚衆はネットやテレビを通じてそのまま洗脳されてメディア難民となることも想像に余りある。現実にそういう類の情報をいち早くキャッチすることがステイタスとする風潮まであるのだ。
 だから情報を評価・識別する能力なんぞ期待できない。さらに怖いのは、この風潮が続くと、想定外で発生したマイナスの出来事は全て「騙された」と解釈される。騙してもいないのにだ。今度は騙され難民か。自由も平等も、自主・民主・連帯もいい。が、その前に69億分の1の奇跡的な確率で存在していることの面白さをと貴重さを確認してもらえる「介護」が必要だ。
 体が不自由で介護も当然だが、心が不自由でも然りだろう。