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帰化人(18) 小樽こだわりのライフスタイル

Go abroad for news of home
海老名 誠 氏
小樽商科大学 ビジネス創造センター
教授・センター長

小樽商科大学ビジネス創造センター
〒047-8501 小樽市緑3丁目5番21号
TEL(0134)27-5290



Go abroad for news of home
「自分の立ち位置を客観的に見る為には、少し離れた所から見た方がいい」
 2011年3月に、6年半勤められた現職を退官される際に、学生達に向けられた海老名氏からのメッセージである。
 自らは小樽商科大学の学生時代に、海外のインターンシップ事業を推進するNPO法人AIESECの制度で海外へ志を向けて旅立った。以後、金融機関の海外勤務やシンクタンクを経て、小樽商科大学で実学を志向するセンター長として北海道の経済界に大きな貢献を果たされた。
 特に、縮小傾向にあった小樽の経済に、大きな展望と道筋を示唆され、「アジアと共に」という姿勢を諭された。
「広い世界へ出て自らを見よ」という海老名氏のこのメッセージは、真に自らの深い経験と、愛する地域や人々によせられた警鐘であり珠玉の言葉だ。

最終講義
 実学を推進する当センターは、教壇で学生に講義をするのではなく北海道経済の様々な活動・研究を大学として支援する部門である。1月25日、海老名氏の最後の公開講義が開催された。
 澄んだ声でわかりやすく、アジアの中で中国経済が伸びてきた背景や、その中国と日本との関係、なかんずく北海道の可能性とニーズが浮き彫りにされた。対する北海道には過去にとらわれない気質があることを提示され、国際化への勇気を鼓舞、また弱点として、第一次産品の加工度の低さを指摘し、商社機能の必要性を説いた。

北海道経済
 北海道に本社を持つ大企業は皆無といえる。これまでは北海道のどの中小企業も1社で国内への販売を拡大することはあっても、国際的な経済関係を結ぶには多大なリスクがあったし、それは今後も同じだろう。
 しかし北海道が望むと望まざるとにかかわらず、北海道の資源やブランドを目指して、国外から様々なはたらきかけがなされるリアリティが増してきた。
 であるならば、いま中小企業が連携できれば売り込むのも呼び込むのも大きく発展する可能性が目前にあるといえる。
 海老名氏のいう「過去にとらわれない気質」は、外よりもむしろ、まず我々自身が既成概念を取り払い、ひとつになって地域振興を目指すことを教えてくれている。

大学発ベンチャー
 全国に大学発のベンチャーが1,500以上もあるという。圧倒的に理系の研究成果を応用するビジネスが多いが、その多くは赤字を余儀なくされているともいう。小樽商科大学は文系で経済的色彩が強い。したがって当センター発のベンチャー参画の多くは経営面における側面支援が多い。大学発ベンチャーは大局的な視点には欠けていた。
「何をネタにどんなビジネスを」という視点からGo abroadして、「どういう関係をどういう連携で」という文系的発想の大局に座したとき、既に資源とニーズが確認されているのだから、アジアサイドの動向を現場で把握することが出発点になる。そしてその動向に対峙するに足る連携を講ずればいい。
 海老名氏は疲労による病を伏せてまで、何度も現地調査に赴いた。しかも小樽の若い経済人も同行することを勧め、その現場認識を共有するまでに至った。いよいよこれからビジネスマッチングの連携を模索する段階になったといえる。

報 恩
 ここまでの筋書きと実践を蓄積されたのは前代未聞だ。大胆にみえて自然な、荒削りにみえて現場をわきまえる展望は、海老名氏の人生を賭して描かれた。
 既存に行き詰まった我々は今、「Go abroad」の志を実践に移す時がきた。

■海老名 誠 教授
【所  属】 ビジネス創造センター(CBC)
【職  名】 教授 センター長
【生 年 月】 昭和20年8月
【卒  業】 
 昭和43年3月 小樽商科大学商学部経済学科卒業
【職  歴】
 昭和43年4月 (株)富士銀行入行
 昭和47年10月 (株)富士銀行NY支店
 昭和51年5月 富士銀行信託会社〔米国〕調査役
 昭和62年4月 (株)富士銀行香港支店副支店長
 平成3年8月 (株)富士銀行目黒支店長
 平成5年5月 (株)富士総合研究所国際調査部長
 平成12年6月 (株)富士総合研究所理事
 平成14年10月 みずほ総合研究所M理事
 平成16年10月 小樽商科大学ビジネス創造センター教授
【研究分野】
 国際経済、通商交渉、ビジネス創造支援
【著 作】
・Makoto Ebina, East Asian Economies;
・Development and Potential Problems: Fuji
・Research Institute Corporation, Fuji Research Paper No 5 1997
・Makoto Ebina, Post-Crisis Economic Recovery in Asia Remains Uncertain: Keizai
・Koho Center, Japan Economic Currents 2001
・「アジア経済危機を振り返る」
 (財)外国為替貿易研究会「国際金融」創立50周年記念号〔1044号〕2000