小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記

サムシング・グレイト


 筑波大学名誉教授 村上和雄氏の著書『そうだ!絶対うまくいく!』で「サムシング・グレイト(偉大なる何者か)」という言葉が使われ、生物の進化に影響を与え、人智を超えた存在のことをこのように呼んでいる。
 およそ科学者らしからぬ表現ではあるが、むしろ問題意識を常に持っている科学者こそ感じるともいえる。
 京都大学名誉教授であった故河合隼雄氏は、ファンタジーを「気配」と訳した。
 サムシング・グレイトも気配も、宗教家にとっては「神仏」をいう。
 さらに学術的には「形而上(けいじじょう)」といって、目に見えぬ概念分野となる。
 村上教授は「私がこれだけ、その存在についてお話しても、科学的に信じる気にはならないとか、そのような大きな力を感じたことはないという人は、そもそも、自分がこの場にいること自体、奇跡なのだと言うことを自覚してほしい」とパラドックスを指摘する。
 問題意識を突き詰める熱意がサムシング・グレイトとの遭遇の条件だ。デジタルグッズが進化し、今後、氾濫状態を予測できるが、電子慣れした頭デッカチで、問題意識を現場にぶつけることが少なくなることを思えば、人間はますますサムシング・グレイトから遠ざかる。


歴史文化研究所
副代表理事・編集人 石井 伸和