小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地域ブランド(2) 「小樽」という名のインパクト

試論「小樽ブランド考」2
マーケティングコンサルタント 朝比奈知彦



ブランディング、存在感
 「ブランドは永遠である。」そう、前回に申し上げました。つまり、そういわれる「ブランド」になるまでに、長い歴史と伝統のもと、大いなる創意工夫が施されてきています。
 「ブランドって、なに!?」 といわれると、現代は、「モノ」は飽和状態ながら、それを信じられない世の中になってきています。
 世にいう「銘柄品」でさえ分からない、確実に信頼されるモノが少なくなりました。
 なんでも「ブランド」化のバブル経済のころは、西欧の銘柄、ブランドであれば、日本の熟成していない消費者は有り難がって飛びついていました。不況でも、未だその状態です。
 「ブランドだから!」という、猫も杓子も「ブランド」信仰です。
 日本のファッション・ブランド信仰は、正にそこにあります。
 シャネルだから、ルイ・ヴィトンだからと、自分を顧みないブランド所持だけの優越感で、使いこなせないブランドのデッド・ストッカー(死蔵)になる人々のなんと多いことか…。
 海外のブランド所持者は、単なるブランド信仰ではなく、実際にブランドを熟知し使いこなせる人々が、その意義を知って愛用しています。
 そんな人々に出逢って、初めて「ブランド」の存在感が増すのです。

軽薄な「ブランド」狂
 以前、ある本に書きましたが、若い女性の4畳半のアパート、足の踏み場もないほどに「ルイ・ヴィトン」。二十数歳の彼女は、定価で買って、それをTPOで使う場所もなく、新作欲しさに、新宿や渋谷の裏通りのブランド買取店に値踏み倒されるのです。
 ブランドとは、その人に相応しく、その人をより熟成した人間に見せるものであるのが普通です。
 日本の「ブランド」狂も、この不況で減りましたが、「ブランド」の誕生には、そんな熱狂的な顧客から発生することがあるのも事実です。
 一方、ファッション・ブランドの名前だけで買う世代は減っていますが、育成期を過ぎるとその地道なブランドとの対応が、また次代のブランドを育てるのです。それが、ブランドと顧客の良好な関係です。
 小樽という街は、かつては「北」のブランドでした。
 北の商都として、「その港湾は漁船まで含めると、最盛期は百隻を超える船舶で活況を呈していた。」
 『生まれいずる悩み』の冒頭に、有島武郎はそう書いていました。
 そして、今、過去の、レトロさが小樽をブランドとして支えてきました。
 そのレトロをモダン化して観光ブランドとなったのが「小樽運河」でしょう。
 しかし、小樽を代表する観光ブランド「小樽運河」は、昔日の影を維持するのに精一杯です。「小樽運河」に会いたくて、小樽にリピートする観光客は減っています。
 「潮まつり」とか、「小樽雪あかりの路」など、観光都市としての努力は垣間見られますが、次の「小樽ブランド狂」を育てるまでには至らず、いたずらに「小樽運河」の風化を待つような気がしてならないのです。
 先ず、小樽に住む人々の自覚、そして、もう一度「小樽運河」を再生させた時のパワー、狂気がなければ、「小樽」というブランドは住民と共に衰退するしかありません。
 先ず、住民の意気込み、呼応する自治体の革新。そして、外からの智恵を受け入れる度量がなければ、次代ブランド「小樽」としての高揚は難しいと思います。
 〜以下、 次号〜